「挨 拶」
更新日:2020.6.1
ローマの信徒への手紙16章1-24節 (新約297頁)
米倉 美佐男牧師
「どうか、わたしのために、わたしと一緒に神に熱心に祈ってください」(15章30節)
手紙の末尾を挨拶で終わるのは昔も今も同じです。ここに出てくるローマの信徒たちそしてパウロの仲間たちの名はかなりな数になります。この個所だけに出てくる名もあれば、プリスカとアキラ、テモテのようによく知られた人たちもいます。幾つかのことを読み取ることができます。
皆、キリスト・イエスに結ばれている人たちです。世間的にただ親しいだけの仲良しグループではありません。キリストを中心にした信仰の交わりのある、教会のメンバーたちです。
共通するのは伝道者パウロを支えた信仰の仲間です。ローマの教会の成立にパウロは関わっていません。まだ訪ねたこともない未踏の地にある教会でした。ただパウロは将来イスパニア伝道を志していましたからその拠点にローマがなることを強く願っていました。ここに名を連ねた人たちとの交友があり、彼らからローマ教会の情報を聞いていたのです。
彼らには感謝しても感謝しきれないという思いがパウロにはありました。彼らは聖なる者、キリストによって神に聖別された人たちです。彼が祈り願うのは、このローマの教会が、学んだ教え(ディダケー)に反して福音に逆らい信仰を破壊するようなことがないように、教会を分裂させるような人々に注意し、彼らを遠ざけよ、ということでした。ただ彼らを排除せよと言うのではなく、自分自身の信仰生活の姿勢を整えて伝えられた福音に一致することを。
パウロの願いは信仰を破壊しようとするサタン的働き、偽りの教えを避け、最後まで十字架と復活の主イエス・キリストのみを見つめて主に従って行くことです。だからそのためにわたしと一緒に神に熱心に祈ってください。
(2020年5月24日礼拝説教より)