「わたしの福音」
更新日:2020.6.8
ローマの信徒への手紙 16章25-27節 (新約298項)
米倉 美佐男牧師
「神は、わたしの福音すなわちイエス・キリストについての宣教によって、あなたがたを強めることがおできになります。」(16章25節)
ペンテコステ礼拝を献げることができ感謝です。ペンテコステは主の復活後、五旬祭にエルサレムに集結した弟子たちや主に従う人たちが礼拝を献げていた時、一同に聖霊が下り、聖霊に満たされた彼らが新しい神の民としての歩みを踏み出しました。教会の誕生です。それ以来教会はペ
ンテコステ礼拝を覚え大切にしてきたのです。もともとユダヤ教の祭日で、ペンテコステは50番目の日という意味です。キリスト教ではイースターから数えて50日目です。
「イエスは主である」と告白することができるのは聖霊の働きです。イエスをキリストと信じる私たちは聖霊の導きを受けているのです。パウロの働きも聖霊のなせる業でした。16章最後の3節は頌栄です。ここに福音とは何かが的確に述べられています。福音とはイエスのケリュグマ(宣教、教え、説教)であり、イエス・キリストご自身のことです。それがパウロの信仰、「わたしの福音」です。
それは隠されていた計画であり、預言者たちの巻物=聖書の奥義であり、すべての異邦人、即ち全世界の人々に告げられた神の栄光です。彼が伝えたいことはイエス・キリストです。十字架と復活の主を唯一の救い主と信じる信仰でした。まだ会ったことのないローマの同信の友たちにイ
エス・キリストだけを信じ、共に信仰の交わりを深め、築きたいとパウロは切望しているのです。あなたがたも私もキリストに出会うことによって強くされたのだから。そのことを覚えて教会生活を送ろう、あなたがたを強くしてくださる神に栄光あれ、アーメン。この最後の祝祷にローマ
の信徒への手紙の真髄があるのです。
(2020年5月31日礼拝説教より)