札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「共に喜び、共に泣け」

更新日:2020.3.30

ローマの信徒への手紙12章9-21節 (新約292頁)

米倉 美佐男牧師

「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。」(15節)

ここにはキリスト者としての歩み方、生活規範が述べられています。基調はキリストの愛です。具体的には十字架の愛です。その愛がキリストの体である教会の命です。それは私たちのうちにある本能的な愛、自分を第一とする自己愛ではなく、他者を生かそうとするものです。主イエスの生き様、十字架から与えて頂けるものです。

「愛には偽りがあってはならない。」(9節)、この愛はアガペー、10節はフィラデルフィアで兄弟愛と訳されています。アガペーはイエスの十字架愛、兄弟愛とは大分意味合いが異なりますがパウロはキリスト者同志の相互愛を肉的な親しみあるものと見ていました。続く互いに愛しもフィロストルゴイで家庭的、家族愛が強調され、教会は神の家族だという理解です。けれどもただ慣れ合うのでなく、互いに尊敬しあって信仰的交わりをするのです。されたからするのでなく自ら進んでする積極性をもって。

五つの勧めが語られています。1「兄弟愛をもって互いに愛し」、2「怠らず励み」、3「霊に燃え、主に仕えなさい」4「苦難を耐え忍び祈りなさい」、5「聖なる者たちの貧しさを自分のものとして彼らを助け、旅人をもてなす」、それが教会のおもてなしです。また、教会の内外に迫害者がいました。けれども彼らを呪うのでなく祝福を祈るのです。キリスト者は自分の力ではできないことでも、主の導きと聖霊の助けに励まされて、「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」、そうすることができる力を与えられているのです。それが主と共に歩むことによって可能です。それは自然のパトス(感情)でなくキリストと共にあって初めて味わうことができます。互いに思いを一つにし、高ぶらず、自分を低くするのです。自分を賢い者とうぬぼれずに、悪に悪をでなく、悪には善を、すべての人に対してそうするのです。そしてすべての人と平和に過ごす。他から危害を加えられてもやり返さず、神に委ねて生きるのです。「復習するは我にあり」(申命記32章35節)。

(2020年3月22日礼拝説教より)

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