「インマヌエル」
更新日:2019.12.9
イザヤ書 7章13-17節 (旧約1071頁)
米倉 美佐男牧師
「見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み その名をインマヌエルと呼ぶ。」(イザヤ7章14節)
預言者イザヤは紀元前8世紀の預言者です。預言書でも代表的な書です。イザヤの時代のバックグラウンドは1章1節「アモツの子イザヤが、ユダとエルサレムについて見た幻。これはユダの王、ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの治世のことである。」から知ることができます。すでに北のイスラエル王国はアッシリアによって滅ぼされ北イスラエルは消滅してしまった時代です。インマヌエル預言はそのような時代に語られた預言です。
王の一人アハズはアッシリアの強大な力に恐れを感じ預言者イザヤの言葉を聞かず、アッシリアに降伏し援助を求めます。それはアッシリアの神々を信奉することを意味します。預言者の語る神のみ言葉に聞かず、自分の思い、考えを優先したのです。その結果はいうまでもなく国は混乱し滅びへと一直線、その時に語られたインマヌエル預言、主なる神は思いもかけない仕方で神の民を救われるというのです。
教会に受け継がれたメシア預言としてインマヌエル預言があるのです。神のみ言葉に生きる時に、この世の暗黒部分に真の光が照らされる。それは神我らと共にいますという信仰です。神の約束への揺るぎなき信頼とみ言葉への服従、決断が信仰者の将来を決定するのです。人間の思惑によってではないのです。インマヌエルの誕生は、敬虔さを装いながら神に信頼しない王アハズにとっては滅び、神に信頼する者にとっては救いです。インマヌエルの意味はそこにあるのです。
「暗闇の中を歩む民は、大いなる光を見、死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた。」(イザヤ9章1節)。
(2019年12月1日礼拝説教より)