「真理の働きを妨げる人間」
更新日:2019.6.24
ローマの信徒への手紙1章18-32節 (新約274頁)
米倉 美佐男牧師
「不義によって真理の働きを妨げる人間のあらゆる不信心と不義に対して、神は天から怒りを現されます。」(18節)
福音は、ユダヤ人をはじめ、ギリシア人にも、信じる者すべてに救いをもたらす神の力です。福音には、神の義が啓示されています。それがこのローマの信徒への手紙の中心主題です。そして18節はそれを受けて本論へと入ります。この手紙の中心はいつも「信仰」です。信仰の対象はもちろん主なる神、そして主イエス・キリストです。
18節から記される内容は人間の罪と神の怒りです。怒りが意味するのは神の裁きのことです。それをここでは先ず異邦人たちに対して語ります。神の怒りの告知は人間の罪に対する審判宣言として語られます。神を知りながらあがめることも感謝することもしない、創造者に対してそのような姿勢をとること自体が人間の思いあがり、不信心と不義、神に対する背信、罪なのです。
神を神としない人間の愚かさが指摘されます。人は神にはなることはできません。私たちは自分が何者であるかを知らねばなりません。人の罪に対する神の義の報い、働きが神の怒り、裁きと言う側面で示されます。人間の傲慢は自分では分かりません。真理の霊によって初めて気づかされます。それが悔い改めです。悔い改めは自らの罪に気づかねば起こりません。神の怒りが自分に向かっている、それを認め、受け入れた時に私たちは真のキリスト者になるのです。主の十字架が自分自身にのしかかり迫ってくるからです。28節以下に人間の不義、不道徳が21程羅列されています。神を信じなかったのでしてはならないことをするようになった。これは罪悪の目録です。それが人間の現実の姿です。まさに自分は罪人の頭だと告白せざるを得ません。そして主の御前に悔い改め己の罪を赦して頂けた時に心からの感謝と喜びがあるのです。
(2019年6月16日礼拝説教より)