「香ばしい香り」
更新日:2019.5.7
フィリピの信徒への手紙4章15-18節 (新約366頁)
米倉 美佐男牧師
「わたしはあらゆるものを受けており、豊かになっています。」(18節)。
パウロは伝道先で困難に会い、獄中で不自由な生活を送っている時に、フィリピ教会の人たちが物心両面に渡り惜しみなく支援してくれた恩情に心からの感謝をしています。15、16節からもその意を感じることができます。信仰者同士の交わりは神との交わりがあって成り立つことです。何よりも彼らが苦しみを共に分かち合って来たことがパウロにとって大きな励ましであり喜びであったのです。この手紙は喜びの手紙と言われますが、キリストへの信仰は喜ぶだけでなくキリストのために苦しむことでもあるのです。
他の教会との関係には見ることのできないフィリピ教会との特別な関係は信仰の苦楽を共にした強い何かがあったからでしょう。だからフィリピ教会のみなさん、このような教会はあなたがただけだったと言うのです。その特別さとはフィリピの教会の人々がパウロと共に伝道に参加しているとパウロが認めていたからです。
17節ではあなたがたの益になる 豊かな実と言っていますが、それも単なる援助、サポートをしてくれたというだけでなく、パウロを支えることによって、フィリピ教会の人たちも共に主のための伝道の戦いをしてくれているそれがあなた方自身への恵みとして帰ってくると言うのです。 あらゆるものを受けて豊かになっている、あなたがたから余りある支えをいただき私には何も不自由はない、おかげで身も心も充実している。あなたがたのサポートは香ばしい香り、神に献げる、神の喜ばれる信仰の証だと言うのです。ここにも両者の麗しい関係を見ることができます。
それこそが何よりも神に献げる供え物、神が喜んでくださる献げ物です。大切なのは自分が喜ぶためでなく、神が喜んでくださる、それを目指すのです。
(2019年4月28日礼拝説教より)