札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「わたしに倣え」

更新日:2019.3.18

フィリピの信徒への手紙3章17-21節(新約365頁)

米倉 美佐男牧師

「しかし、わたしたちの本国は天にあります。」(20節)。

パウロはフィリピ教会の人たちに対し、「皆一緒にわたしに倣う者となりなさい。」(17節)と呼びかけます。彼は自分が信仰者として立派だから私のようになれと言うのではありません。なぜそう言ったのかは続く言葉から明らかです。「あなたがたと同じように、わたしたちを模範として歩んでいる人々に目を向けなさい。」(17節)それは、すべてのこの世的な価値観をキリストによって無価値なものとまで言わしめた、キリストへの信仰です。つまりわたしたちの信仰に倣いなさい、そしてその先にあるキリストそのものを見なさいと言うのです。

彼が何度も言い、涙ながらに語るのはキリストの十字架に敵対して歩んでいる者が多いからです。パウロは言います、彼らの行き着くところは滅びだと。なぜなら彼らは「腹を神とし、恥ずべきものを誇りとし、この世のことしか考えていない。」(19節)からだと。パウロが言う十字架の敵対者とは単純に不信仰者、神を神としない人々のことを言っているのではなく、そのような人々に惑わされている教会員たちの不信仰に向けて語っているのです。

「しかし、私たちの本国は天にあります。そこから主イエス・キリストが救い主として来られるのを、わたしたちは待っています。」(20節)、わたしたちキリスト者はこの地上に国籍を持つだけでなく神の国に属しているのです。本国が天にあるというのは神の民として神のご支配のもとにあることを示しています。わたしたちが神の国の一員であることを自覚しなさいと言うのです。わたしたちは神の国の一員であり、キリストの十字架の贖いによって救われ、復活の恵みにあずかった事実をもって前進するのです。

(2019年3月10日主日礼拝説教より)

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