「エパフロディト」
更新日:2019.2.18
フィリピの信徒への手紙2章25-30節 (新約364頁)
米倉 美佐男牧師
「彼はキリストの業に命をかけ、死ぬほどの目に遭ったのです。」(30節)。
先週はパウロの愛弟子のテモテのことを話しました。今朝はエパフロディトというもう一人の人を通してメッセージを語ります。エパフロディト(魅力的、ハンサムの意)のことをパウロは信仰の兄弟であり、協力者、戦友だと語っています。エパフロディトは獄中にあるパウロを見舞うためにフィリピの教会が遣わした使者でした。彼はパウロ
が困窮していた時に身を粉にして奉仕してくれた人でした。
どのような病かは書かれていませんが彼は役目の最中に大病にかかり、瀕死の重体になってしまいました。役目を遂行することができなくなってしまいましたが幸い一命をとりとめることができました。不安からかホームシックになってしまったようで、しきりに故郷のフィリピ教会の人たちに会いたがり、故郷に帰ることを願ったのです。ただ
自分の病気がフィリピの人たちに知られたことを心苦しく思っていたのです。
パウロは伝えます。エパフロディトをあなたがたの所に戻すからどうか彼を尊敬をもって労り迎えてあげなさい。彼はあなたがたの代わりにあなたがたができないことを私のために十分してくれたのだから。その言葉の背景にはフィリピの教会の人々の中にエパフロディトを非難する心無い声があったことを聞いていたからです。それは教会の徳
にならないことをパウロは教えたかったのです。「神は憐れんでくださった」(27節)。神の憐れみとは赦しです。それはエパフロディトだけでなくパウロもフィリピの教会の人々も受けたことです。あなたがたは皆共に伝道の戦いのための同労者、戦友、神の奉仕者なのだから。
(2019年2月10日礼拝説教より)