「思いを一つにして」
更新日:2019.1.21
フィリピの信徒への手紙2章1-2節(新362頁)
米倉 美佐男牧師
「同じ思いとなり、同じ愛を抱き、心を合わせ、思いを一つにして、わたしの喜びを満たしてください。」(2節)
イエス・キリストの福音にふさわしい生活をするようにパウロはフィリピの教会の人々に勧告します。あなたがたに幾らかでも、キリストによる励まし、愛の慰め、霊による交わり、それに慈しみや憐れみの心があるならば、信仰を邪魔する反対者に対し、心を合わせて福音の信仰のために戦いなさいと。
キリストによる励まし、愛の慰め、霊による交わり、慈しみや憐れみの心があるなら、思いを一つにして、わたしの喜びを満たして欲しいとパウロはフィリピ教会の人々に言います。彼の願い求めはただ自分の思いを満足させて欲しいと言っているのではありません。それを願っておられるのは何よりも主イエス・キリストだと言っているのです。反対者によって不一致が生じた群れに一致が回復し保たれるために、心を合わせ思いを一つにしなさいと勧めます。
パウロは今のフィリピの教会には信仰の一致がないから言うのです。もとより彼らにそれがなかったわけではありません、あったのです。反対者にかき回されてから今はみられなくなってしまった。かつての時のようにそれらを回復して欲しいと願うのです。なぜならそれがキリストの共同体として、教会が取り戻すべき最重要課題であるからです。「ひたすらキリストの福音にふさわしい生活を送りなさい。」(1章27節)と勧めています。ただ仲良くしなさいではありません。キリストにあって、キリストの福音にふさわしい、それが何よりも大切です。あなたたちには主の慰めが必要であり、それが励ましになるのです。一致し
て、同じ思い、主の愛と恵みを信じ、ひたすらに主の十字架を仰ぎ、復活の主に出会い感謝して歩むのです。
(2019年1月13日礼拝説教より)