「神はわが砦」
更新日:2017.11.6
詩編46編2-4節(旧約880頁)
ローマの信徒への手紙8章35-39節(新約285頁)
牧師 米倉 美佐男
「神はわたしたちの避けどころ、わたしたちの砦。苦難のとき、かならずそこにいまして助けてくださる。」(2節)
10月31日は宗教改革記念日です。今朝の礼拝も宗教改革500年記念秋季特別伝道礼拝として献げます。1517年10月31日にマルティン・ルターがヴィッテンベルク城教会の扉に95か条のご提題を掲げたことをその象徴として覚えているのです。その主張の根幹は「神の義」と「悔い改め」でした。彼はそれがキリスト者の全生活を貫く生き方であることを聖書に基づいて主張したのです。
ルター34歳の時でした。第1条にはイエス・キリストが悔い改めを語られた時には、キリスト者の全生涯が悔い改めであることをお望みになられた、と始められています。当時の教会では悔い改めは教会に行ってお札、贖宥符(免罪符)を買えばいいということでありました。ルターはそれはおかしい、聖書の中にはどこにもそのようなことは書かれていないと問いかけたのです。それが宗教改革のシンボルになりました。
宗教改革の柱は、五つのソラ(のみ)、聖書(スクリプトゥラ)・信仰(フィデ)・恵み(グラティア)・キリスト(クリストゥス)・神の栄光(ソリ・デオ・グロリア)と万人祭司です。全信徒祭司性とも言われます。信ずる者がみな普遍的に祭司であるのです。信じることができなかった者がキリストの仲保によってキリスト者になったこと。キリストによって義とされ、他者のために祈る者とされていることを言うのです。宗教改革は過去へ戻ろうとしたのではなく、正しく福音に立ってキリストの恵みを感謝し、聖書の御言葉に正しく聞き、歩むべきことを示したのです。聖書の原点に帰り、福音主義を貫き、主なるキリストが唯一の我が砦であることを信じて生かされるのです。教会が大切にしてきた洗礼と聖餐、御言葉による改革がその精神です。
(2017年10月29日主日礼拝説教より)