「神の国を受け継ぐ」
更新日:2017.9.25
コリントの信徒への手紙15章50-58節(新約P322)
牧師 米倉 美佐男
「肉と血は神の国を受け継ぐことはできず、朽ちるものが朽ちないものを受け継ぐことはできません。」(50節)
札幌教会は9月の第1日曜日に創立記念礼拝を献げ、今年は創立128年を覚えました。今朝は主の御許に召された方々を覚えて記念の礼拝を献げます。今読まれた聖書の箇所には「真実の教会を建てなさい」と言うメッセージが書かれています。
教会を建てるとは、立派な礼拝堂を建てることではありません。建物があるにこしたことはありません。けれども教会を建てるとはキリストの体を建てることです。「最も大切なこととしてわたしがあなたがたに伝えたのは、わたしも受けたものです。」(3節)。教会を建てるために受け継ぐのは聖書の信仰です。即ちキリストの十字架と復活による救いです。主イエスが唯一の救い主であると信じる信仰を受け継ぐのです。
そこに固く立つのが教会です。教会はそれ以上でもそれ以下でもありません。教会は状況に即し、福音を捻じ曲げる力に対して立ち向かうのです。パウロはコリントの教会の信徒たちに向かって、福音に固く立ちなさいと励まし祈ります。同様に私たちも信仰の先輩方から、彼らが大事にしてきた信仰を受け継ぎなさいと言われているのです。私たちの信仰は主イエスの十字架と復活を信じる信仰です。私たちは有限な存在です。私たちの地上の生は終わりがあるのです。私たちは朽ちるべき存在です。死すべき者が主イエスに出会う時、朽ちずに新たに生かされるのです。ここに信仰の希望があります。主の十字架によって示されたものを見て、復活信仰に堅く立ち、希望の喜びを知るのです。全神経をそこに集中させて救いの完成を目指して歩むのです。唯一の希望がそこにあることを信じ神の国を受け継ぐ者となりましょう。
(2017年9月17日永眠者記念礼拝説教より)