「主よ、あなたはどなたですか」
更新日:2017.6.12
使徒言行録9章1‐9節 (新P229)
米倉 美佐男 牧師
「サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか。」(4節)
ペンテコステ(聖霊降臨日)礼拝です。ペンテコステは五十番目を意味するヒブル語です。使徒言行録2章に、「五旬祭」(ヒ シャブーオート)と訳されています。もともとはユダヤ教の祭日です。主のご復活(イースター)か
ら数えて五十日目、エルサレムに集まっていたペトロを筆頭とする弟子たちはじめイエスをキリストと信じる120人ほどの人々が熱心に祈りを献げている時に、聖霊が降りました。この時が教会の始まりと言われています。
今、読んでいただいた聖書の箇所、使徒言行録9章1-9節は偉大な伝道者パウロの回心記事です。パウロはここで、自分がどうしてユダヤ教徒からキリスト教徒に改宗したのか告白しています。どうして伝道者になったのかとい
う証です。もともとはサウロ(求める)ですイスラエルの初代王のサウルです。パウロはそのラテン語、ローマ名です。パウロは、主イエスの弟子を脅迫し、とらえるためにダマスコに行く途中で復活のキリストに出会い回心したのです。
ダマスコに向かう途中でパウロは天からの光に照らされ、地に倒れ、その時に彼は「サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか。」との声を聞いたのです。「主よ、あなたはどなたですか」と彼は尋ねます。「わたしは、あなたが迫害しているイエスである。起きて町へ入れ。そうすれば、あなたのなすべきことが知らされる。」、同行者たちに声は聞こえたが、姿は誰も見えませんでした。パウロは三日間目が見えず、食べること飲むことをしませんでした。見えない中で彼はキリストと出会い、信じる者へと変えられたのです。今までおぼろげにしか見えなかった救いが、見えなくなって初めて見えるようになりました。キリストにあって新しい命へと歩み出すことができたのです。
(2017年6月4日主日礼拝説教より)