札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「天の父の御心を行なう人」

更新日:2017.4.17

マタイによる福音書 12章46‐50節(新P23)

牧師 米倉 美佐男

レントの第6主日、本日は棕櫚の主日です。今日から受難週に入りました。主イエスが伝道活動をされた時、時間の経過と共に共感する人々、敵対する人々、今日の箇所は主イエスの家族が登場します。イエスが群衆に話しておられた時、イエスの母マリアと兄弟たちがイエスに話しがあって外に立っていました。

マタイは具体的に内容を詳しくは記しません。ある人がイエスの家族に気づき、イエスに告げます。「御覧なさい。母上とご兄弟たちが、お話ししたいと外に立っておられます。」(47節)。この時のイエスのお答えは「私の母とはだれか。わたしの兄弟とはだれか。」(48節)でした。続けて言われます。弟子たちの方を指して言われた。「見なさい。ここに私の母、わたしの兄弟がる。」(49節)。そして「だれでも、わたしの天の父の御心を行う人が、わたしの兄弟、姉妹、また母である。」(50節)。

イエスの活動を伝え聞いてイエスのことを心配した家族たちが、家に連れて帰ろうとして訪ねてきたのかも知れません。到底激励に来たとは思えません。主イエスの言葉は聞き方によっては冷たくも感じます。家族とは何かを考えることもできると思います。主の語られた意味は何か。はっきり言えることがあります。「天の父の御心を行う人」それが兄弟、姉妹、母だと。それは神の家族の問題です。イエスは私をキリストとして信じる者はみな神の家族だと言われているのです。イエス・キリストによって示される神の御意志を求める者、主のご命令に聞き従う者、ついて来いと言われればハイと素直に従う者、主を信じて永遠の命を得る者、救いの確かさのうちに生かされる者、それが神の家族です。血肉によらず、主の十字架と復活の共同体に繋がる者が主の母であり、兄弟、姉妹であるのです。「あなたがたは皆、信仰により、キリスト・イエスに結ばれて、神の子なのです。」(ガラテヤ3・26)。

(2017年4月9日主日礼拝説教より)

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