「最後まで耐え忍べ」
更新日:2017.2.10
マタイによる福音書10章16-25節(新P18)
牧師 米倉 美佐男
「わたしはあなたがたを遣わす。」(16節)
主イエスに選ばれた12人の弟子は使徒と特別に呼ばれました。「遣わされた者」という意味です。主は彼らを伝道に派遣されるに当り、丁寧に心の準備をかなり具体的に指導されています。今朝の箇所では遣わされる現場がどのような所か、遣わされるに当たってどのような姿勢で臨むべきか、伝道の結果としてどのような目に会うかという事を丁寧に述べておられます。最後に24節以下で主イエスに従いなさい、何も恐れず、たとえ悪魔呼ばわりされようがくじけず歩みなさいと結んでいます。
弟子たちが遣わされる現場、「それは、狼の群れに羊を送り込むようなもの。」決して安心な場所ではなく、荒野、厳しく簡単に伝道できない所です。手をぬくことなどできない命懸けの働きです。だから心して、「蛇のように賢く、鳩のように素直になりなさい。」意味としては主イエスを信じて恐れず疑わず、神の知恵を持ってことに当りなさいと言うのです。
伝道活動の結果として捕らえられて、鞭打たれるような痛い目に会うかもしれない。弁明しなければならないこともあるだろう。でも、何を言おうかと案じるな、言うべきことはあなたがたがどうしようかと心配しなくても必要なことは、父なる神が聖霊を送ってくださるから。兄弟は兄弟を、父は子を、子は親を死に追いやる、殺す。互いに生かすのが信仰なはずでは、と思います。でもそれは伝道にはそれほどの厳しさがあることを示します。下手なやさしさではできない現実を弁えて、命がけの緊張感があることをくみ取る必要があります。主イエスが示されたのは次がポイントです。最後まで耐え忍ぶ者は救われる。自分の力で耐えろと言われているのでありません。最後まで信じる者は救われると約束してくださっているのです。
(2017年2月5日主日礼拝説教より)