札幌教会・日本キリスト(基督)教団・プロテスタント教会

北海道札幌市中央区にある伝統的な教会

聖書のお話し

「罪人を招くため」

更新日:2016.11.21

マタイによる福音書9章9-13節(新P15)

牧師 米倉 美佐男

主イエスは主に必要な者を「わたしに従いなさい」と呼びかけられます。主の招きです。主の召し、召命です。今朝は弟子の一人マタイの召命記事です。この福音書の著者です。12弟子の一人マタイはアルパヨの子レビと呼ばれています。元の名はレビ、弟子入りしてマタイ(主の賜物)と呼ばれるようになりました。彼は徴税人です。税を人々から集める仕事で人々から嫌がられる仕事でした。彼は収税所に座っていた時、カファルナウムから次の伝道地に向かう途中のイエスに呼ばれたのです。

「わたしに従いなさい。」そのように呼びかけられると彼は立ち上がってイエスに従ったのです。疑いもせず即決でした。今の仕事を捨ててまでイエスに従うというのは大変な決断です。福音書にはマタイ個人の心情がどうであったのかということについては記しません。招きに応えて立ち上がり、従ったことが記されるのです。そしてもっと重要なのはマタイの召命よりそれに続く出来事です。イエスはマタイを弟子として招いた後、マタイの家で食事をしておられます。

そこで次のことが起こりました。食事の場には徴税人仲間、ファリサイ派が罪人と言ってはばからない人々がいました。それを見ていたファリサイ派の人々は弟子たちに、「なぜ、あなたたちの先生は徴税人や罪人と一緒に食事をするのか」、とクレームをつけました。イエスはファリサイの言葉を聞いて言います。「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。『わたしが求めるのは憐れみであって、いけにえではない』(ホセア6・6)とはどういう意味か、行って学びなさい。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである」(12-13節)。私たちは知る必要があります。何故イエスが、神の子が人
の子としてこの地上にきてくださったのかを。

(2016年11月13日主日礼拝説教より)

前のページに戻る