「偽預言者を警戒しなさい」
更新日:2016.8.8
マタイによる福音書7章15-23節(新P12)
牧師 米倉 美佐男
「偽預言者を警戒しなさい。」(15節)
「偽預言者を警戒しなさい。」それは「狭い門から入りなさい」で語られたことと大きく関係しています。命に至る門は狭いのです。そこに導いてくれる人をよく見極めなければならないからです。偽預言者とは明らかに、当時のユダヤ教の指導者、ファリサイ派の人々や律法学者たちを指しています。彼らは預言者ではありません。預言者は神の召しを受けて神のみ言葉を取り次ぎます。召命もないのに主はこう言われたと、勝手に自分の思いを権威づけて語るふとどきな輩、偽教師に注意せよとの警告です。
警告としては今の時代にもあてはまります。偽預言者、偽教師はいつの時代にもいます。偽預言者を羊の衣を着た強欲な狼だと言っている記述もあります。バプテスマのヨハネのような服装スタイルを言っているのではなく、羊を装う、神の民のふりをしながら中身は狼のような者がいることを示しています。偽預言者は偽物だけでなく、狼のような存在、羊を滅ぼす危険な存在です。信者をキリスト信者にせず、牧師信者にしてしまうような指導者です。
キリストの羊ならばキリストの声か、そうでないかを聞き分けなければなりません。羊自身にも正しい牧者の声を聞き分ける力を持つことが求められます。羊自身が命に至る狭い門に入るために不可欠だからです。それは自分の都合のよい指導者を求めることとは違います。「あなたがたは、その実で彼らを見分ける。」偽預言者を見分ける方法はその実によってです。その実とは何かが問題です。
「わたしに向かって、『主よ、主よ』と言う者が皆、天の国に入るわけではない」、「わたしの天の父の御心のみを行いなさい」と。大事なことはキリストのみ言葉のみが神の言葉であることを知ることです。主のみ言葉のみに聞き従うのです。
(2016年7月31日主日礼拝説教より)